iPhone4Sカメラの“F値2.4”の意味がわからないので調べてみた


iPhone4Sの性能上の大きなトピックとして“カメラ性能の向上”があります。iPhone3GSのもはや愛嬌とも言える画質のカメラで2年3ヶ月を暮らしてきた自分にとっても大きな注目ポイントです。そのカメラ性能の中に“F値2.4”とあるのが凄いことらしいのですが、そんな数字を見ても何が凄いのは今イチわからないという方も多いのではないでしょうか。というワケで調べてみました。


まずWikipediaです(以下抜粋して引用)。
F値-Wikipedia

開放F値
レンズの絞りを開放(全開)したときのF値を開放F値という。開放F値の小さなレンズを「明るいレンズ」という。またシャッタースピードを高速にとれる事から、「ハイスピードレンズ」「高速レンズ」などの呼び方もある。

一般向けに市販されている物としては、ライカの「ノクティルックス 50mm F0.95」、コシナの「フォクトレンダー ノクトン 25mm F0.95」が最も明るいレンズである。また、かつては、キヤノンから「キヤノン 50mm F0.95」も市販されていた。

特注品としては、アポロ計画用に設計されたものをスタンリー・キューブリックが手に入れ、映画『バリー・リンドン』に使用したカール・ツァイスの「プラナー 50mm F0.7」や、旧日本軍用に東京光学(現トプコン)が設計した「トーコー 50mm F0.7」を基に戦後再設計し、毎日新聞社の南極探検隊が使用した「シムラー 50mm F0.7」などがある。

現実的にはシャッタースピードの限界や被写界深度の問題があるため、最高でもF1.2からF1.4程度が実用域、F2.8程度あれば十分に明るいレベルといえる。


どうですか?自分的には読んでもまだピンと来ていませんが、要するにF値というのはその値が小さいほど“明るいレンズ”になるそうです。撮影する側の視点で見てみると暗所での撮影がし易かったり、“ボケ味”を演出し易いカメラになるそうです。パナソニックデジイチのCMで綾瀬はるかが被写体をタッチしてフォーカスし、背景をぼかすみたいなのがありましたが、そんな感じの操作ができるということでしょう、きっと。そんなややこしい理屈は抜きに『なんとなくキレイな写真が撮れる』という価値を提供するのがアップル流なのです。


自分的にはRAWデータの保存とかホワイトバランスがどうこうとか、あんまりそんなコトは気にせずにデジカメを選定していました。どちらかというとカメラの重量や光学ズーム倍率なんかの方に目がいくカジュアルユーザーなのです。



とりあえず自分が持っているデジカメの“COOL PIX P90”のスペックを調べてみたところ、“F値2.6〜5”とあります。つまりはこの巨大で重いデジカメよりもiPhoneの方が明るい写真が撮れる、というコトですな。とは言っても今までもデジカメで撮れる写真がどうも暗い、なんて思ったことはありません。そもそもF値だけがカメラのレンズ性能を決めるものではもちろんありませんし、iPhoneカメラが光学24倍ズームなんて芸当をできるワケもありませんので、まぁやっぱり“餅は餅屋”なのです。

自分のデジカメだけではアレですので、次に今のデジカメ販売ランキングで上位にあるような機種と並べてくらべてみます。
1.iPhone4S
2.カメラに定評のXperia Arc
3.コンパクトデジカメ代表:COOL PIX P300

表にしてみましょう。

iPhone4S Xperia arc COOL PIX P300
撮影画素数 8M 8.1M 12.2M
センサー 裏面照射型CMOSセンサー 裏面照射型CMOSセンサー 1/2.3型原色CMOS
レンズ構成 5枚 4枚 6群7枚
F値 2.4 2.4 1.8-4.9
重量 140g 118g 189g

こんな感じです。なんか見ればみるほどXperia Arcのカメラとスペックが似ています。F値に関してはiPhone3GSでも2.6らしいので0.2の差しかないのですが、これが大きな差なのでしょうか。ともあれ“F値2.4”という数字自体はそれほど特別なものでもなさそうです。自分がこれまでiPhone3GSで撮った写真でも、意図的にフォーカスをズラして背景をボカしたりできているので、“正常進化”と捉えていいんじゃないでしょうか。
第一、iPhoneのカメラがそんなに万能になってしまうとせっかく買ったEye-Fiカードなんかが使い道が無くなってしまいます。


しかしまぁ何ですな、iPhone3Gの頃から自分的にはケータイカメラの利用頻度がフィーチャーフォン時代よりもグッと増したのですが、撮った写真をアレコレ楽しめるのがiPhoneカメラのいいところです。画素数他のスペックでは計り知れないものがそこにはあります。


【関連リンク】
iPhone - Apple(日本)
デジタル一眼レフカメラの基礎知識 - 露出 | Enjoyニコン | ニコンイメージング
ニコンのサイトにもう少し理解し易い説明がありました。