新しいiPadの発売開始に際し、スマートフォンとPCの棲み分けを考える
MacBookAirがやって来た我が家ですが、明後日に日本でも発売になる“新しいiPad”はMacBookAir(11.6インチで1366×768)よりも遥かに広い解像度(9.7インチで2048×1536)がスペック上の特徴です。我が家のiMac(21インチで1920×1080)よりもさらに広いワケで、アップルはまた大変なベンチマークを作ったものです。
製造技術の進化と共にスマートフォンのディスプレイも大型化、高解像度化がどんどん進んでおり、「PCみたいに使えるかも」なんて思ったりもしますがやはりスマートフォンとPCでは役目が違うワケで、今日はそんな話です。
それぞれで得手不得手があるといいますか“餅は餅屋”なのです。あとPCを使うのは“机の上”であり、スマートフォンは“どこでも”です。
スマートフォンに快適性をプラスして携帯性をマイナスしたのがタブレットである、というのが自分の見方です。
自分の使い方を少し振り返ってみると、スマートフォンで行う操作のほとんどはPCで行うことの縮小版になっています。
1.電話を掛ける/受ける
スマートフォン:○
PC:▲
まずは電話です。スマートフォンはケータイなワケであり、即ち基本的には音声通話する端末が発祥なのです。PCでもSkypeなりFaceTimeなりがありますが、利用頻度はまるで異なります。
2.Web閲覧
スマートフォン:○
PC:◎
手軽なWeb閲覧と、詳しいWebの閲覧といった感じでしょうか。例えばWebでバンキングサービスの口座照会を利用するとして、PCの画面では数月分をスクロールさせながらじっくり見る気がしますが、スマートフォンの画面だとせいぜい直近の口座引き落としの明細を見るくらいのものです。スマートフォン用最適化がされている場合はかえってPCより見易いケースもありますが。
自分はiPhoneのブラウザアプリよりもRSSリーダーアプリの方が起動頻度が圧倒的に高いのは、やはりiPhoneのディスプレイではパッパと情報にアクセスしたいからなのです。
ReederとSylfeed、RSSリーダー常用アプリ対決の結果 - 酒と煙草と女とiPhone
3.地図を利用
スマートフォン:○
PC:○
そもそも地図を見る目的が目的地に到達するコトであれば、やはりどこでも見られてGPSで現在地情報が利用できるスマートフォンの地図の方が圧倒的存在価値があります。
一方でそれ以外の用途であれば、PCの画面で見る大きな地図の方が俄然使い勝手は上になります。昔VAIOのU3にPCカード型のGPSモジュールを挿してカーナビにしていたコトがありますが、アレはアレで起動や測位が遅かったりでイライラしたものです。
4.メール
スマートフォン:○
PC:○
メールは基本的にコミュニケーションの道具であり、リアルタイム性を求める場合はスマートフォンが威力を発揮します。一方であまりに大量のテキストを打ち込むのはフリック入力とソフトウェアキーボードでこなすのは困難です。だから外部接続キーボードなんかを求めるワケです。
リアルタイム性が不要な場合はPCメールが強いです。大量のメールからカチカチ選んで削除をしたりタグを付けたりと、とてもスマートフォンの画面では実現できない操作感です。また、文章のインプットにはハードウェアキーボードがモノを言います。
CPKB/BT bluetoothキーボード(1) - 酒と煙草と女とiPhone
5.マルチメディア用途
スマートフォン:△
PC:○
音楽を聴く行為に限ってはiPodから成るiPhoneはやはりPCよりも勝ります。しかしコンテンツを作る用途になると俄然PCです。ややこしい表現ですが要するに写真を編集したり、ムービーを編集したり、そんなのをiPhoneの画面でチマチマするのは大変なのです。iMovieなんかも手軽にムービー作成する為の素晴らしいインターフェースを備えていますが、自分的にはiPhoneよりiPad、iPadよりさらにMacのiMovieの方が素早く快適に作業ができます。
iPhone4S×iPad2×iMovieの奇跡の連携 - 酒と煙草と女とiPhone
6.仕事
スマートフォン:△
PC:○
“スマートフォンをビジネスに活用!”とよく言われます。ソフトウェア業界でもなんか盛り上がろうとしています。しかし今のところ自分はiPhoneが無くても仕事は成立しますが、PCが無いと仕事になりません。
現時点で自分が一番iPhoneを仕事に活用できているのはカレンダー(GoogleカレンダーでiPhone、Android、PCでスケジュール共有)です。あとは簡単なメモとか。
iPhone用のExcel互換アプリも導入しましたが、よほどPC側で事前に計算式と罫線を仕込んだファイルを作成しておかないと活用しにくいです。
“パソコン”は“パーソナルなコンピュータ”なのが本来ですが、もはやWindowsPCが必要とされている一番の主要な領域はパーソナル用途ではなくてビジネス用途になっています。自分的にはパーソナル用途のほとんどがMacに持っていかれました。
“Sheet²”でiPhone上でまともにexcelが使える
“ポストPC”と位置づけされるタブレット端末もやはりPCとは用途が違います。完全にPCよりもスマートフォン寄りです。初代iPadがデビューする時にはよく「大きなiPodTouch」と揶揄されたものですが、自分的にはそれがタブレットの本質だと捉えています。
きっと情報や映像の閲覧用途では加速的にPCの市場を奪っていくものと予想されますが、そういう点では今回のiPadがRetinaディスプレイ化されたのは正しい進化と評価されるでしょうな。
そうなる一方でコンテンツ制作の用途も担うPCは、Retina時代に見合った性能を備えてくるハズなので、やはり次期MacBookAirもさらなる高解像度化されるというか、全てのMacがRetina化し、WindowsPCもそれに追随していくような気がします。
なんか色々書きましたが、今日はこんなトコロで。