iPhone4Sのバッテリ消耗具合を1週間測定、そこから見えてきた節電のポイント
iPhone4Sのバッテリの調子はいかがですか?とても待機200時間(2時間で1%の減少ペース)は保てない雰囲気です。自分はいくら何でも減りすぎだろうということで、設定を変えながらバッテリの減り具合を測定してみました。昨日までの1週間、日毎に設定を変えての結果を集計し、そこから現状の自分におけるベスト設定を編み出しました。
同じiOS5でもiPad2は依然として強靭なバッテリ性能を保ったままなので、きっと何か原因があると思うのです。話題になっているiOSのアップデートでバッチリ対応されるかも知れませんが“数週間後のリリース”になるそうなのでそれまでの対策として役立てたいと思います。以下ご参照ください。
【計測結果】
まずは1週間の計測結果です。1週間の経過の最中に思い立って設定項目を変更していっているので、テストに規則性がなく見難い結果になっていますがご容赦ください。
測定日 | 10月28日 | 10月29日 | 10月30日 | 10月31日 | 11月1日 | 11月2日 | 11月3日 |
曜日 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 |
位置情報 | 平常 | 全開 | 完全オフ | 全開 | 全開 | 完全オフ | 全開 |
通知 | 平常 | 完全オフ | 全開 | 全開 | 全開 | 全開 | 完全オフ |
iCloud設定 | オフ | 全開 | アカウント削除 | 全開 | 全開 | 全開 | アカウント削除 |
キャリア設定 | 手動 | 自動 | 手動 | 自動 | 自動 | 手動 | 手動 |
ネットワーク | イーモバW-Fi | イーモバW-Fi | イーモバW-Fi | イーモバW-Fi | SoftBank3G | SoftBank3G | SoftBank3G |
7:00 | 100% | 97% | 100% | 97% | 100% | 97% | 100% |
9:00 | 92% | 86% | 95% | 87% | 92% | 90% | 92% |
12:00 | 80% | 63% | 85% | 74% | 64% | 80% | 83% |
15:00 | 66% | 42% | 73% | 65% | 52% | 69% | 74% |
18:00 | 53% | 21% | 64% | 53% | 43% | 60% | 65% |
21:00 | 37% | 1% | 51% | 43% | 27% | 53% | 54% |
0:00 | 26% | 21:20尽きる | 39% | 22% | 8% | 27% | 41% |
【計測環境】
自分の基本的なiPhone使用スタイルは過去エントリをご参照ください。一日1000件程度のRSSフィードのチェック、メール、カレンダ参照・入力、Web、それくらいは必ず行います。
iPhone3GS卒業記念“今までの愛用アプリTOP10”
iPhone4Sの標準アプリだけで1日過ごしてみた
■共通項目
画面の輝度はバーの真ん中くらいで“明るさの自動調整”オン
画面のロックは1分
メールアカウントは6件登録、その内4件がアクティブ
7:00〜24:00の間は完全放電までは一度も充電しない
毎日23:00に家のWi-Fiに接続、翌7:00に接続解除
“イーモバWi-Fi”の日は上記時間帯以外は全てHTC Ariaによるテザリング接続、“SoftBank3G”の日はWi-Fiをオフにして3G接続に切り替える
位置情報−システムサービスは普段から全てオフ
3GS時代のクセで1日1〜2回程度使っていないバックグラウンドアプリを削除してメモリ解放を行う
Wi-Fi設定の“接続を確認”は常時オフ
容量の大きいアプリのアップデートは自宅Wi-Fi接続時に行う
1日1時間程度音楽を流す
1日に最低3回程度スピードテストを行う
■iCloud設定
“iCloud全開”はこんな状態です。KeynoteのiCloudもオンにします。“iPhoneを探す”も“iCloudバックアップ”もオンにします。“iCloudオフ”はこれら全てを完全にオフにします。バックアップもオフにしていますが、“Wi-Fi+電源に接続”の条件を満たすのが就寝中しかないのでバッテリライフには影響無いかも知れません。“アカウント削除”はその名の通り、iPhoneからiCloudのアカウント自体を削除してiCloudから完全に切り離します。
■位置情報サービス設定
平常時、位置情報サービスは常時オン(Safari、マップなど計10項目程度)です。“全開”の際は必要性の有無に関わらず全てオンにします。“完全オフ”はマップアプリなどの位置情報が必須のアプリ含めて全てオフにします。意味があるかどうか不明ですが『設定 → 一般 → 機能制限 → 位置情報サービス』からオフにするとサービス自体がオフになります。
■通知センター設定
平常時、通知はカレンダー、Twitterなど5項目をオン(バナー型、バッジ表示、ロック画面にも表示、メールとメッセージはプレビューOFF)。位置情報と同じく、“全開”の際は必要性の有無に関わらず全てオンにします。“完全オフ”時はメールやカレンダーなどの通知が欲しい項目含め全てオフにし、メールの受信設定は全て“手動”に変更しておきます。その代わり2時間に1度程度は手動でメールアプリを起動してチェックしています。『フェッチでええやん』という話ですが。なお、通知のオン・オフに関わらずi.softbankのメール通知はやってくるようです。
■キャリア設定
キャリア設定の“手動・自動”については若干の難点を含みます。過去エントリをご参照ください。
【測定結果から】
10/31(月)に位置情報、通知サービス、iCloudを全てMAXオンにして運用したのですが、10/29(土)の通知サービスだけオフにした日よりもバッテリ消費が緩やかになるという逆転現象が起きました。“iCloudアカウントを一旦削除、位置情報を一旦全てオフにするとバックグラウンドの動きが最適化される”みたいなおまじないがあるのでしょうか・・・?仮にそうだとすると、iPhone4Sのバッテリでお悩みの方は一度初期化してクリーンインストール(復元でなく)をすると劇的に改善するかもです。単に休日と平日での使い方の差が出ているのかも知れませんが。しかしまぁ自分のiPhoneは2008年からのiPhone3Gの情報をずっと引き継ぎっぱなしなので、一度棚卸の意味を兼ねてクリーンインストールしてみてもいいかも知れません。
11/1(火)に“位置情報が悪さをしている”というニュースが駆け巡りましたが、上述“共通項目”の通り自分は『設定 → 位置情報サービス → システムサービス』は普段から全てオフにしているのです。ということはシステムサービス含め位置情報を全てオフにした10/30(土)の健闘ぶりと併せて考えると、位置情報サービス周りには他にもまだまだ致命的な何かがありそうです。
そして日本での11/3(木)には“iOS5のバグ”であることが報じられました。しかしまぁiOS5.0.1?のリリースは少し先になるようなので、もうしばらくは今回のテストから導いた設定で走ることにします。
また、テザリングというか回線の速度も体感的なバッテリーの持ちに大きく影響します。ソフトバンクの遅い3G回線だと同じ情報の受信により長い時間の通信を必要としますし、しかし回線が速いと調子に乗ってiPhone自体を使いすぎますので・・・まぁどっちにしてもバッテリは減るということです。
いろいろ書いたので最後にまとめます。どれも全て“おまじない”レベルの不確かな情報なので試される方はくれぐれも自己責任にてお願いします。
■可能性として考えられること
位置情報は一度“完全オフ”にすると効果がある
iCloudは利用しないならオフよりアカウント削除
キャリア設定の“手動”は効果あり
新規iPhoneとして設定し直すと効果あり
■間違いなく言えること
テザリング(Wi-Fi)接続はバッテリに優しい(iPad2が減らないのは3G通信をしないからかも)
位置情報、通知、iCloudの全てがバッテリライフに影響する
設定次第でiPhone4Sのバッテリ寿命は確実に、劇的に変わる
結局よくわからない、何をしても減る
【暫定設定】
そういうワケで、OSのアップデートで解決するまでの暫定的な設定をメモしておきます。他の設定項目は上記“■共通項目”と同じです(iCloudのアカウント削除によりme.comのメールは自動的に削除されます)。
本日この暫定設定で過ごしていますが、21:00で63%の残というコトで許容できるレベルです。テザリングONにすればもう少し伸びると思いますが、今月いっぱいはソフトバンク3Gネットワーク使用月間になりますのでガマンします。
項目 | 設定内容 |
位置情報 | Safari、カメラ、マイマップ、標準マップ |
通知 | 電話、メッセージ、カレンダー、メール、Twitter |
iCloud設定 | アカウント削除のままでガマン |
キャリア設定 | 手動でSoftBank |
設定に加えてiPhone4Sの使い方で大きく消耗度合いが変わることが当然考えられますので、どなたでも効果が得られるものとは限りません。ご注意ください。
自分なんかは2年以上にわたってiPhone3GSを使い倒した後の機種変更なので、純粋に比べるとこんなiPhone4Sでも随分とマシに感じたりする体感上の都合というものがあります。また、日本語の入力にモタついているだけでバッテリを消費するOS2.0の頃のiPhone3Gに比べると納得できることこの上なしなのです。